子なし駐妻の流産体験とその後 in USA

初妊娠、初期での稽留流産、そこから一歩踏み出すための記録

11w5d ドクターとのアポ (後編)

こちらは前記事、「11w5d ドクターとのアポ (前編)」の続きになります。

 

ドクターDから、何か他に質問はある?と促され、いよいよ私たち夫婦が気になっていた質問を聞いてみることにしました。

 

それは、染色体異常などを早期発見するためのスクリーニング検査についてでした。  

 

アメリカで妊娠出産された方の体験談を読んでいると、こちらは訴訟などのリスクがあるため、出生前の胎児スクリーニングはかなり慎重に行われるらしいということがわかりました。

 

日本では保険が効かない各種スクリーニングも、アメリカだと保険適用で受けられるということだったのです。

 

私たちも、前回流産してしまっていることもあり、染色体異常などにはとても敏感になっていたので、可能な限り、この機会を利用してみようと思い、ドクターDに質問しました。

 

 

私「私たちは胎児の染色体異常などを心配しているため、できる限り早期に把握しておきたいと考えています。こちらのクリニックではどんなスクリーニング検査が受けられますか?」

 

すると、ドクターDは一瞬ポカン、とした表情になり、こう言いました。

 

ドクターD「このクリニックではどの検査もノーマルオプションではありません。また、このクリニック、そして州内のほとんどの病院は中絶手術ができません。どうしても、というなら染色体異常を調べる検査の予約を外部にお願いすることはできますが、高額で、保険は効きません」

 

 

予想外の回答が返ってきてしまい、私たちは一瞬黙ってしまいました。

 

こう書くと、どこに住んでいるかが分かってしまうかもしれませんが、私たちが住む州は全米の中でも大変保守的な十分で、特に中絶(Abortion)についてはセンシティブな話題だったのです。

帰宅してから少し調べましたが、現在、中絶禁止法案こそ成立していないものの、州内のクリニックや病院では中絶手術を行うところは全くと言ってないようでした。(その代わり、州内にAvortion Clinicという中絶専門のクリニックは数カ所あることが確認できました)

 

 

ここはアメリカ。

 

 

一つ一つの州で法律が異なり、それはもう別の国の集まりと言っても過言ではない国です。

 

 

 

つまり、中絶が許されていない病院で働くドクターDのスタンスとしては、染色体異常を妊娠初期にわざわざ調べる必要がない、と言った様子でした。

 

 

これには私たちもすぐに返す言葉が見つからず、「少し考えます…」としか答えられませんでした。

 

 

私たちも、仮に染色体異常が見つかった場合にどうするか、などの先の話を細かく詰めていたわけではないため、本当にごく当たり前のプロセスとして、スクリーニング受診の有無を確認したつもりでした。

 

 

しかし、この州内に住んでいる限り、もしも胎児に何か異常が見つかったときに、何もできることがない、ということを今回思い知らされてしまったので、自分たちのスタンスを今一度確認するべきだな、と考えさせられました。

 

 

日本とアメリカで制度が違えば、今度はアメリカの州内でも制度が大きく異なる、とても難しい問題です。